当院ではスポーツ大会における救護班を多く請け負っていますが、命の危険が無い外傷での不必要な救急車の要請を控えるようにしています。
しかし、同じ外傷でも頭部外傷や胸部の強い外傷などの一部はに関しては、状況を見極め念のために救急車を要請する場合があります。この見極めをすることも重要な救護班の役割です。
JCSの意識レベルが1だったとしてもプレーの中断を指示
2や3だった場合は、救急車を要請することはありませんが、速やかに脳神経外科を受診して頂くことを指示します。
意識レベル0の場合、プレイに戻ることも許可しますが、途中で僅かでも異常があった場合、中断と救急車要請もしくは脳神経外科の受診を指示します。
意識レベル10以上で救急車要請というスケール対応を考えています。
これは、各競技会などで救急車要請のタイミングが決められている場合があるのでその場合はそのルールに合わせることになります。
競技によって意識レベル2などでも即要請する場合がありますが、格闘技の頭部外傷を多く目の当たりにしている当院では意識レベル10でもそこまで緊急性はないと思いますが、万が一の為、一つの基準として10にて要請という考えにしています。
頭部を殴られ失神KOされた選手は、数秒~10数秒後に目を開けます。
その後、同じ事を繰り返し言ったりします。それでも脳への障害がある選手はごくわずかの一部です。しかし、念には念を入れて対応することになります。
ただ四肢関節の外傷ではほぼ救急車を要請する必要はないのです。この見極めができる事こそが救護班に求められています。